おばさん、普通二輪免許取得する

50歳を前に普通二輪免許取得するまでと、それからの日記

おばさん、はじめての○○(ツーリング編 2/3 格闘編


出発までがこちら↓


続きますよ~~


「お~そ~い~ぞ~~~~」とインカムから聞こえてくる、
師匠のいつもの激励?を耳にしつつ、
流れに乗るためスピードを上げ、向かい風に耐え、
時折すれ違う、観光バスの爆風に無言でびびりつつ、必死でお二人についていく私。


幹線道路は通行車両が増え、加えて私を抜くことのできない、続く1車線道路。
後ろに大名行列だけは作りたくない~と、必死に開くアクセル。
油断すれば小さくなる、トリッカー先輩のテールランプ周辺を、ひたすら見つめ走行。
ただ、だんだんと運転にも速度にもなれ、少し楽しくなってきあたりで、峠越えする山のふもとへ到着。


杉の植林が多く緑一色だった山が、奥に行くにつれ色づいてくる。
集落を抜け山へ入っていくと、後続車も対向車もない(私にとって)平和な道へ。
余裕ができ、風景も少し見られるようになってきた頃、たどり着いたキャンプ場。
駐車場にバイクを止め、ヘルメットを脱いで見上げれば…
そこに広がるのは空の青、そして山々を染める赤黄緑の総天然色!
あぁ、美しすぎる…(涙


広がる青空。映える紅葉~。天気もよくて、見事な景色。


しばし紅葉を堪能した後、さらに展望台経由の山越えの道へ進みます。
進みます。進みます…。進みます…??
あれ?アスファルト舗装ががコンクリート舗装になったよ?


さらに進みます。
あれ?道路に落ち葉がいっぱいあるよ?
あ、でも4輪車の後があるね。うんうん。大丈夫。
もやもやと胸に広がる不安を打ち消し、続くくねくね道路。
2速でじんわり進みます。

車の轍を信じて進んでいたころ。初登場。ひどくたくましい私の後ろ姿です(笑 (撮影:CRF師匠


あれ?ついに道が落ち葉で見えなくなったよ。
わぁ!周りに広がる紅葉。道路も紅葉~
すごくロマンチックだよ~
すごくきれいだよ~じゃないよ!やばくない?いや、これやばいでしょ!
私の「うぎゃ~道が見えない~~~」の悲鳴は、
「たのし~~」と走行ハイクラスな師匠や先輩へ全く届かず。



一面オレンジ!状況が違えばものすごく楽しめるはず…涙。(撮影:CRF師匠


ガンガン増していく不安の中、進んでいた私の前に、ついに一番恐れていた事態が…
はい。コンクリートすらなくなりました。全く舗装されていません。


ねぇ、展望台って、普通の車で行くところだよね?
なんかおかしくない?

見事なまでの未舗装路。自然美あふれた道路が目の前に広がります。
あ、オプションで水たまりもありますね。
いやオプションどころか、水たまりそのものが走行路です。


完全にオフロードですね
あの~お忘れかもしれませんが、私、未舗装路未経験です。


シミュレーターの砂利道しか知りませんよ~~!

なのに、なのにいきなり水たまり付きのでこぼこ道が目の前に!
お二人は、楽しそうに突っ込んでいきます。
「ゆっくりくれば、大丈夫だから~」師匠と先輩…完全に楽しんでます。
ただ、ここで一人待つわけにはいかない。


  1. 急ハンドルは、絶対に切っちゃいけない気がする。
  2. 付いてる車輪の跡をトレースすれば、安全な気がする。
  3. 水たまりのふちは、きっとずるんって滑る。
    避けられなければ、真ん中に突っ込んでしまったほうが安全かも。
  4. 水たまりに入る前に、少しアクセルを強めに開ける。←バイクの番組で言ってた気がする。


「こんな気がする」のうろ覚え&にわか知識(想像含む)総動員で、
始まった初オフロード走行。


背後を走る師匠から「手でハンドル支えるなよ~」のアドバイスに、
教習所の8の字先生を思い出し、ニーグリップはしっかりと、出来るだけ手をぐらぐら。
と…あれ?走れてる?私。でこぼこな道、通り抜けられてるよ?
あの時、なんであんなに平坦で平和な1本橋が、渡れなかったんだろうなぁ~
だって今、1本橋半分くらいの水たまりの間を、狙って通り抜けられてるよ。
あぁ、手のぐらぐら教えてくれて、ありがとう~8の字先生~
なぜか走馬灯のように流れる、教習所の日々を思い出しながら進む私の前に現れたのは、
道路ですらない、石がむき出しになった、がたがたの急激な上り坂。
体感斜度20度 (%じゃないですよ)。
今までの水たまり道路がかわいく見える。にも拘わらず登っていく先輩。
つられて進んではみたが…。


10メートルくらい進んだあたりで、岩の上にタイヤが乗り、ずるっと横滑り。
手が離れ、アクセルが緩んだ瞬間、ぐらっと左に…
とっさに左足を出すが、高低差があり足が届かない!
やばい倒れる!と、なんとか足が付くところを選んでバイクから降りる(というかほぼ落ちる)と、勾配に負け、坂下に引っ張られるバイク!!
後ろにはCRF師匠。このまま落ちると、コースが悪ければぶつかってしまう。
落下を止めようと、右手は必死にブレーキを握り、バイクを支え踏ん張るが、
足場も悪く、少しずつ後退するトリ爺。
さらにその反動で右手が動き、アクセルが回る。
暴走を避けるため、左手はクラッチを握りしめるしかできない。
「エンジン切れ~」と師匠にい言われるが、右手を動かせばブレーキが緩み、
バイクが落下する絵しか見えず、動けない。
※今考えれば、エンストしてしまえばよかったのでは?と自分突っ込み…。
 必死すぎて全く浮かびませんでした…


脳内に浮かぶのは、本物のハードエンデューロの1シーン。
あのかっこいい映像と違うのは、前進も後退もできず、半泣きになってる初丸選手の残念さ…。
私が完全に固まってる間に、少し先の緩やかな場所にバイクを止め、降りてきた先輩がバイクを支えてくれ、何とかエンジンオフ。
そのまま、運転手交代で移動してくれた。
到着した師匠と先輩が「どうも、道がおかしいな」とGPS確認すると、なんと電波が届かない。
先を偵察に行った先輩から、この先はさらに悪路と報告があり、来た道を戻る事に…
って降りるんですね。この坂…orz。
代わりに乗って降りてもらうって…。あぁ、無理ですよね。はい…。


もう転んでもいいよ!
おりてやるよ~~~!と、完全自暴自棄状態。

師匠から「足で支えつつ走れば、大丈夫」と言われ、教習所では絶対出すな!と言われた両足出して、半クラ状態をキープし自力でおりましたよ!!
えぇ!おりましたよ~~~~っ!!!


で、落葉道路に付いた瞬間に、へたり込みました。
手袋どころか、ヘルメットの中も汗だく。
案内看板を見てた師匠が一言。「あ!この道、登山道だ」
そりゃ、無理ですよ…orz


どうやら、分岐を曲がりそこね、道が間違っていたようです。
おかしいよね。こんな道の先に展望台あるはずないよね…(涙
ここで、すでに12時過ぎ。
ほんとだったら、魚定食をいただいている頃。
見事な紅葉の上に広がる、澄んだ青空を見つめ、ため息一つ残してUターン。


もちろんあのオフロードを戻りますが、あの坂道経験したら…
水たまり?平気平気!出来れば避けて、避けれなければがつんと突っ込めばいいさ~
でこぼこ砂利道?ニーグリップに気をつけて、手をぐらぐらすれは大丈夫!
そうそう、いざとなれば、足出して支えればコケないよ!と…行きとは別人のような腹の据わり方(笑


水たまり道路→コンクリート道路→アスファルト道路と無事走破し、見逃した分岐点へ。
なんと、キャンプ場のすぐ先でした…orz


「展望台こちら」の看板を確認し、目指してリスタートです。


トリ爺の雄姿。みんなのバイクも、どろんどろんです(笑



と、さらに続きます…